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2017.07.25 | 業種別税務辞典

業種別税務辞典 土木工事業

1.税務のポイント

(1)宅地造成の請負収益の計上時期

宅地分譲法人が一団地の宅地の造成のすべてが終わっていなくても、造成が終わった部分を分譲したときは、その分譲した部分はその都度売上に計上しますが、宅地造成の請負業者はその造成の全部を終了し、分譲業者に引き渡した日を含む事業年度に収益計上をします。ただし、請負業者が宅地分譲法人と分譲した部分ごとに請負金額を定めている場合には、部分完成基準を適用します。

なお、土地の所有者が他の者にその土地の造成工事を請け負わせた場合において、その契約に基づき対価の支払いに代えて造成後の土地の一部を交付したときは、その造成完了時に、造成工事請負業者にあってはその取得をしたものとされます。この場合において、その交付に係る土地の譲渡価額は、その造成工事に係る契約において造成工事の対価の額が定められているときはその金額により、その定めがないときはその造成完了時の価額によります。ただし、その対価の額が定められていない場合に、譲渡対価の額及び取得価額とすべき価額をその造成工事請負業者が支出したその造成工事の原価の額と請負工事に係る通常の利益の額との合計額によっているときは、この処理も認められます。

(2)工事進行基準による損益計上時期及びその方法

①工事進行基準の適用による損益計上の時期

法人が、工事(製造を含む)の請負のうち、長期大規模工事に該当する工事については、工事進行基準の方法により計算した金額を、益金の額及び損金の額に算入します。

この長期大規模工事とは、次の要件を満たす工事をいいます。

(イ)工事の着手の日からその工事に係る契約において定められている目的物の引渡しの期日までの期間が1年以上であること

(ロ)請負の対価の額が10億円以上の工事であること

(ハ)その工事に係る契約において、その請負の対価の額の2分の1以上がその工事の目的物の引渡しの期日から1年を経過する日後に支払われることが定められていないものであること

なお、工事進行基準の方法により各事業年度の収益の額及び費用の額に計上する場合には、次のことに留意が必要です。

(イ)工事の請負には、設計・監理等の役務の提供のみの請負は含まれないのであるが、工事の請負と一体として請け負ったと認められるこれらの役務の提供の請負については、その工事の請負に含まれる。

(ロ)請負をした長期大規模工事であって、その事業年度終了の時において、その着手の日から6月を経過していないもの又はその工事の進行割合が100分の20に満たないものについては、工事進行基準を適用しないことができる。

(ハ)長期大規模工事に着手したかどうかの判定は、その請け負った工事の内容を完成するために行う一連の作業のうち重要な部分の作業を開始したかどうかによるものとする。この場合において、工事の設計に関する作業がその工事の重要な部分の作業に該当するかどうかは、その内国法人の選択による。

②工事進行基準の収益の額及び費用の額の方法

次の方法により計算した金額をその事業年度の収益の額及び費用の額とします。

(イ)工事中の事業年度

・その事業年度の収益の額=工事の請負の対価の額×工事進行割合-その事業年度前の各事業年度の収益の額とされた金額

・その事業年度の費用の額=その事業年度終了の時の現況によりその工事につき見積もられる工事原価の額×工事進行割合-その事業年度前の各事業年度の費用の額とされた金額

なお、工事進行割合とは、工事原価の額のうちその工事のためにすでに要した原材料費、労務費、その他の経費の額の合計額の占める割合その他の工事の進行度合を示すものとして合理的と認められるものに基づいて計算した割合をいいます。

また、工事原価の額とは、その事業年度終了の時の現況によりその工事につき見積もられる工事の原価の額をいいます。

(ロ)引渡事業年度

・その事業年度の収益の額=工事の請負の対価の額-その事業年度前の各事業年度の収益の額とされた金額

・その事業年度の費用の額=その事業年度終了の時の現況によりその工事につき見積もられる工事原価の額-各事業年度の費用の額とされた金額

(3)粉飾決算による仮装経理の修正

入札への参加等経営上の諸般の事情から、やむを得ず粉飾決算をして、架空売り上げや架空在庫を計上せざるを得ない場合があります。

法人税の課税標準等及び税額等は、確定した決算に基づく法人の各事業年度の所得の金額等を申告することにより確定しますが、税務署長は、申告された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従っていなかったときなどは、納税者による修正申告又は税務署長による更正により、適正な課税標準等及び税額等に是正することとされています。

これは、法人税について過少申告がされた場合に限らず、過大申告がされた場合であっても同様であり、過大申告がされた場合には、税務署長は、正しい税額を納付させるため、更正処分を行い、過大に納付されている税額は還付加算金を付して還付します。

しかし、仮想経理を行う、いわゆる粉飾決算をした法人が仮装経理に基づく過大申告をした場合については、税務署長は、その法人がその後の事業年度の確定した決算において修正の経理をし、これに基づく確定申告書が提出されるまで更正しないことができることとされ、また、減額更正処分がされた後の還付方法についても、全額を一時に還付することなく、更正の日の属する事業年度前1年間の各事業年度の法人税相当額だけを還付し、残額はその減額更正を行った事業年度の開始の日以後5年以内に開始する事業年度の法人税額から順次控除します。

(4)交際費等(旅行観劇招待費用・談合金)

①旅行観劇招待費用

建設業者が高層ビル、マンション等の建設にあたり、周辺の住民の同意を得るために、その住民又はその関係者を旅行、観劇等に招待し、又はこれらの者に酒食を提供した場合におけるこれらの行為のために要した費用は、法人税法上、交際費等に該当します。

②談合金

建設業者等が工事の入札に際して、その競争相手である同業者に対して入札等を実質的に辞退させるために、いわゆる談合金その他これに類する費用は、これを支出したとすれば、その費用は、自己に有利に入札を進めることを請託するために又は一種の謝礼として支出するものであるため、交際費等に該当します。

 

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