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2017.09.08 | 経営

今月の読書 西暦3000年の日本人の人口は〇〇〇人!?

「今月の読書」では、世の中で話題になっている本を読んでみて、感じたことを書かせていただきます。今回は、河合雅司さんの「未来の年表 -人口減少日本でこれから起きること-」です。

 

1.Amazonでの内容紹介

日本が人口減少社会にあることは「常識」。だが、その実態を正確に知る人はどのくらいいるだろうか? 人口減少に関する日々の変化というのは、極めてわずか。ゆえに人々を無関心にする。だが、それこそがこの問題の真の危機、「静かなる有事」である。 書店には、人口減少・少子高齢社会の課題を論じた書物が数多く並ぶ。しかし、テーマを絞って論じるにとどまり、恐るべき日本の未来図を時系列に沿って、かつ体系的に解き明かす書物はこれまでなかった。それを明確にしておかなければ、講ずべき適切な対策とは何なのかを判断できず、日本の行く末を変えることは叶わないはずなのに、である。 本書が、その画期的な役目を担おう。 第1部は「人口減少カレンダー」とし、年代順に何が起こるのかを時系列に沿って、かつ体系的に示した。未来の現実をデータで示した「基礎編」である。第2部では、第1部で取り上げた問題への対策を「10の処方箋」として提示した。こちらは、全国の公務員・政策決定者にも向けた「応用編」と言える。

 

2.感想

本書を読んでみて、まず意外に感じたのは「出生率を上げても人口は増えていかず、むしろ減り続ける」という点です。理由は「すでに少子化の影響が出ていて、母親となれる女性の数が減少しているため」だそうです。2015年の国勢調査では、25~39歳の女性はおよそ1,000万人ですが、これが2040年では814万人、2065年には612万人にまで減少すると予想されています。(国立社会保障・人口問題研究所の推計による)

「母親になれる女性数が減るため、子どもも減り続ける」ということなんですね。言われてみれば当然のことですが「出生率が上がれば、人口も横ばい位になるんだろう」と気軽に考えていたので驚かされました。

さらに、このままで推移すると3000年には日本列島に住む日本人は「2,000人」になってしまうそうです。「減少」どころか日本人が「絶滅」する可能性まである、ということでした。

対処法として著者の河合さんは10の施策を提案しています。その中で私がとくに共感したのは、「戦略的に縮む」という点です。人口が減っていく分、寄り集まることで「にぎわい」を維持することやインフラに係るコストを軽減するなど、コンパクトな街づくりを提案しています。

仕事柄、以前に市区町村の水道事業の収支を見る機会がありました。市区町村の運営する水道事業にとって、わたしたち住民が支払う水道料が「収入」であり、それが水道管の修理など、インフラを維持していくための「費用」に充てられています。住民が少ない小さな市区町村では、現状で既に住民からの「水道料収入」でインフラ維持のための「費用」を賄えず「赤字」になってしまっているところもあるようです。

そのような場合に、住民がある程度まとまって暮らすことで、水道管が必要な範囲も狭くなり、いまと同じインフラが維持できる、ということにもつながるのではないかと思います。

いずれにしても「自分の子どもの世代やもっと先の世代」を視野に入れて考えていくべきなのだろう、と思いました。

 

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