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2025.11.15 | 経理自動化

経理がごちゃつく会社の共通点5つ|小規模企業こそ見直すべき“お金の流れ”

経営者からよく聞く悩みがあります。

・「経理がごちゃごちゃしていて何がどこにあるかわからない」

・「忙しくて経理が後回しになる」

・「売上はあるのにお金が残らない」

実はこれらの原因は、**会社の規模や業種に関係なく“経理がごちゃつく会社が持つ共通点”**にほぼ当てはまります。

この記事では、社員10名未満の製造業・デザイン事務所・Web系企業など“小規模企業”によく見られる、経理が乱れる5つの共通点と、すぐに改善できる具体策を解説します。

経理の整備=面倒な作業ではなく
**「利益・キャッシュを生み出す経営の基盤づくり」**です。

1. 情報がバラバラの場所に散らばっている

小規模企業の経理がごちゃつく最大の原因がこれです。

・領収書は紙・封筒のまま

・請求書はメール・チャット・PDF・紙でバラバラ

・経費精算はLINEでポンと送られる

・売上情報はExcelにあるが最新かわからない

・見積は別フォルダ、受注管理はまた別アプリ

このように情報が散らばっている状態だと、
経理担当者がどれだけ頑張っても “正確な数字が早く出てこない” のは当然です。

✔どう改善すべきか

ポイントは 「情報の一本化」 です。

・請求書はすべてクラウド管理(メール提出禁止)

・経費精算はチャット提出NG、ツールに統一

・紙の領収書は画像でアップしてもらう仕組みを作る

・受注・売上管理は一枚の管理シートにまとめる

情報が一つの流れに乗るだけで、
経理のスピードも精度も一気に上がります。

2. 口座・クレジットカードが多すぎる

小規模企業では「事業用の口座が複数」「誰かの個人カードで支払い」などがよくあります。

・社長名義のカードで決済

・事業用とプライベートの口座が混在

・法人口座が3つ以上

・カードが4枚以上あり管理しきれない

これでは、お金の流れが複雑になるのは当然です。

✔どう改善すべきか

答えはシンプルです。

事業口座は1つ、法人カードは1〜2枚に集約する。
(※事業規模が小さいうちはこれで十分)

さらに、

・プライベートの支出を会社口座で払わない

・会社のお金を個人口座に移すときは必ず記録する

など基本ルールを徹底するだけで
経理業務の半分は軽くなります。

3. 科目の使い方がごちゃごちゃで分類がバラバラ

よくあるのが、

・似たような経費が「雑費」に全部突っ込まれる

・仕入と外注費の区別が適当

・固定資産か経費か判断基準がない

・他のスタッフが入力すると分類が変わる

という状態。

これでは正確な管理ができないだけでなく、
月次の数字から経営判断ができなくなります。

✔どう改善すべきか

科目のルールを作り“会社内で統一”する。

・10万円以上は固定資産

・SaaS系は通信費 or 情報サービス費に統一

・機材購入は「備品費」、消耗品は「消耗品費」

・広告費・業務委託費の線引きを明確にする

など、細かいルールを文書化するだけで
分類の迷いとブレがなくなります。

4. 経理担当の属人化が進んでいる

小規模企業に多いのは、

・経理が社長の奥様

・パートの経理担当が辞めたら何もわからない

・社長だけが数字を把握している

・入力ルールやフローが頭の中だけにある

といった“属人化の落とし穴”。

この状態で担当者が1人でも抜けると、
会社の数字が数ヶ月止まることすらあります。

✔どう改善すべきか

属人化の解消は 仕組み化=型化 です。

・入金・支払・領収書の流れを図にする

・月次のチェックリストを作る

・担当者が変わっても同じ手順で動けるようにする

・データは全て共有フォルダに保存

・社長だけしか見れない状態をなくす

経理は“ブラックボックス化”するほど危険。
透明化することでミスも減り、改善もしやすくなります。

5. 月次決算が遅い(もしくは出てこない)

経理がごちゃつく会社ほど、
月次決算(毎月の数字)が遅れる傾向があります。

・毎月の締めは2ヶ月後…

・半年分をまとめて処理

・現金残高が合わない

・売掛金・買掛金が最新かわからない

これでは、経営判断がすべて“後手”になります。

月次が遅い=会社がどこで儲けているか見えていない
ということです。

✔どう改善すべきか

目標は “翌月5営業日以内の月次締め”

ポイントは3つ。

1.現場→経理の情報提出期限をルール化

2.支払いスケジュールを固定化(15日と末日のみ)

3.毎月のルーチンをテンプレ化する

すると、現場が「締め日」を意識するようになり
経理の流れがスムーズになります。

まとめ|経理のごちゃつきは“仕組みで解決する”

経理が混乱する会社には共通点があります。

経理がごちゃつく会社の共通点5つ

1.情報が散らばっている

2.口座・カードが多すぎる

3.科目がバラバラ

4.属人化している

5.月次が遅い

これらはどれも
ツールの問題ではなく、仕組みの問題です。

逆に言えば、仕組みを整えれば
会社の規模に関係なく経理はスムーズに回ります。

税理士 松橋丈雄

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